【運動をする上で大切なからだの機能とは?】

運動が健康に良い」というのはよく聞く言葉ですが、実際に運動を続けていくためには“からだが思い通りに動くこと”が欠かせません。そのためには、ただ筋力が強ければいいというわけではなく、いくつかの基本的な機能がバランスよく働くことが大切です。


まず一つ目は柔軟性です。関節や筋肉がしなやかに動くことで、体の動きがスムーズになり、余計な力を使わずに済みます。柔軟性が不足すると動きの範囲が狭まり、体に負担がかかりやすくなるため、ストレッチや軽い体操で日ごろから整えておくことが大切です。


二つ目は安定性です。姿勢を保つための土台がしっかりしていないと、力を上手く発揮できません。特に体の中心(お腹や背中まわり)の筋肉が安定していると、手足の動きもスムーズになります。これがいわゆる「体幹を整える」という考え方です。


三つ目はバランス感覚です。歩く、走る、ジャンプするなど、どんな動作でも体の重心をコントロールする力が必要です。バランス感覚は年齢とともに少しずつ衰えるため、片脚立ちやゆっくりした動きの運動などで意識的に鍛えておくと良いでしょう。


四つ目は協調性です。からだの各部分がタイミングよく動くことが、スムーズな運動につながります。たとえばボールを投げる動作では、足・腰・肩・腕などが連動して動くことで、無理なく力を伝えられます。日常生活でも、この協調性があると動きが軽く感じられます。


最後に大切なのは持久力です。体力がないと、せっかくの動きの良さも長続きしません。ウォーキングや軽いジョギングなど、無理のない範囲で心拍数を上げる習慣をつくることが、からだの機能を支える土台になります。
これらの機能はそれぞれが単独で働くものではなく、互いに影響し合っています。たとえば、柔軟性が上がると動きがスムーズになり、安定性や協調性も高まりやすくなります。大切なのは、「どこか一つを鍛える」のではなく、「全体を整える」意識です。


運動をする目的は人それぞれですが、どんな運動でも共通して求められるのは「からだが気持ちよく動く状態」です。柔らかく、安定して、しなやかに動けることが、ケガを防ぎ、楽しく長く運動を続けるための第一歩です。

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